タバコの吸い殻は、危険
毎朝、院の前の通りを掃除するんですが、雨上がりの日には、必ず、タバコの吸い殻が大量に見つかります。
雨で濡れた路面は自然と火が消えるので、ポイ捨ての罪悪感が薄れるんでしょうかね?
タバコは火が消えれば安全ではありません。吸い殻にはダイオキシンなどの強い毒性があって、濡れた路面に捨てられればその成分が流れ出し、広範囲に広がってしまいます。後で小さな子供が道路で遊んでいて、触ってしまうかもしれません。とても危険なのです。
更にやっかいなのが、流された吸い殻や毒性が排水溝から下水道に落ちること。
道路の排水溝に吸い殻が突っ込んであるのもよく見かけます。本人はちゃんと処理した気分なのかもしれませんね。
ところが大間違いなんです。
排水溝から流れていく水は、キレイに処理されない種類の下水道だから。
下水道の種類~合流式と分流式
日本で最初に作られた下水道は、汚水と雨水を一緒に流す「合流式」。この方法だと、大雨で水量が多くなった際には、全てを水再生センター(下水処理場)で処理できないため、一部がそのまま川や海に流されてしまいます。
そこで昭和45年に下水道法が改正され、それ以降は「分流式」という方式で下水道管が整備されています。
「分流式」は、汚水専用と雨水専用の2種類の排水管が道路に埋められており、汚水専用の管は水再生センターへ、雨水専用の管は河川へそのままつながっています。
そして、道路の排水溝は、雨水専用の管につながっています。下水としての処理は行われずそのまま河川に流れてしまうのです。
ポイ捨てが加速させる環境汚染
河川を汚しながら海まで流れ着いた吸い殻は、更に深刻な環境問題を引き起こします。
タバコの吸殻を魚が食べている例もあり、魚を通してタバコの有害物質を再び人間が取り込んでいることが考えられます。
現在海洋プラスチック問題が大きな話題になっていますが、タバコのフィルターも、プラスチックの一種の化学物質で出来ています。分解されるまで数年かかるため、長期間毒物を含んだまま残り、環境を汚染します。
住まいの地域から河川・海まで、吸い殻はまんべんなく汚してしまいます。『たかがポイ捨て』では済まされない。地域や家族を守るためにも、面倒でも携帯用灰皿を使い、吸い殻を持ち帰って処理しましょう。