腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管内の神経や脊髄が圧迫されることにより、腰痛や脚のしびれ、歩行困難などの症状を引き起こす神経学的な疾患です。
症例:50代男性、営業職、納品で重い荷物を持つ、長時間の運転もする
半年ほど前から腰部に痛みを感じるようになりました。
最初は軽い痛みだったが、しばらくすると痛みが激しくなり、半年ほど、だましだましで痛みを我慢していたそうです。
具体的な外傷や怪我は特定できませんでした。
長年の仕事での重い荷物の持ち運びや長時間の運転などにより、腰を酷使し過ぎたからと推察されます。
特に左足を突く動作や歩行時に強い痛みを感じるようになりました。
さらに、歩く際に跛行(びっこ歩き)が出てしまう状態でした。
腰部から左足にかけて強い痛みを感じ、常時しびれ感もありました。
【なぜ痛むのか?】
腰部脊柱管狭窄症は、腰椎の骨や軟部組織の変性により、脊柱管内の神経組織への圧迫が生じる症状です。
これによって神経の伝達が妨げられ、痛みやしびれが引き起こされます。
この痛みの原因を知るために、接骨院を受診しました。初めての診察では、丁寧に問診を行い、私の症状や痛みの経緯を詳しく聞いてくださいました。また、触診や動作の確認なども行い、腰部脊柱管狭窄症という診断を受けました。
痛みの症状を緩和するため、問診・検査を行いながら当院でアプローチできることを探しました。
しかし痛みの症状がひどく、運動器への施術だけで改善は難しいと判断したため、専門の整形外科へ紹介し、そこで手術を受けられました。
手術後はリハビリテーションの一環として当院での通院が開始されました。
当院では、以下のアプローチを行いました。
腰部の安定性を高めるために、股関節周辺のバランスを整える施術を行いました。
痛みを引き起こす筋肉の緊張をほぐす手技療法を施しました。
筋力低下が起きていた部位の筋肉を強化するために、適切なトレーニングを行いました。
施術開始から約1カ月ほどで、患者様の歩行がスムーズになりました。
痛みも徐々に軽減され、日常生活や仕事においても痛みの影響を感じることが少なくなりました。リハビリテーションの中で学んだエクササイズやストレッチも自宅で継続して行い、体の調子を整えることにも努めました。痛みの緩和とともに跛行の症状も改善し、日常生活においてより快適に動くことができるようになりました。
腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管と呼ばれる脊椎(背骨)の中にある神経組織が圧迫されることで痛みを引き起こす状態です。脊柱管は、脊椎骨の間にある空洞であり、脊髄や神経根が通っています。
腰部脊柱管狭窄症では、脊柱管内のスペースが狭くなり、脊髄や神経根に圧迫がかかるため、痛みやその他の症状が現れます。以下に、痛みが起こる主なメカニズムを簡単に説明します。
神経根圧迫:脊柱管狭窄症では、神経根(脊髄から分かれる神経の枝)が圧迫されることがあります。これは、脊柱管内のスペースが狭くなることで、神経根が圧迫されるためです。神経根圧迫によって、その神経が司る特定の部位や筋肉に痛みやしびれ、感覚の変化が生じます。
脊髄圧迫:重度の脊柱管狭窄症では、脊髄自体が圧迫されることがあります。脊髄は神経伝達の中枢であり、体の各部に信号を送っています。脊髄が圧迫されると、その上下の神経伝達に障害が生じ、痛みや感覚の変化、筋力の低下などの症状が現れます。
炎症反応:脊柱管狭窄症による圧迫は、周囲の組織に炎症反応を引き起こすことがあります。炎症は神経組織を刺激し、痛みや腫れ、痺れ感などの症状を引き起こす要因となります。
腰痛:脊柱管の狭窄によって、腰部や尻部に痛みが生じることがあります。この痛みは、長時間立ち続けたり、歩行したりすると悪化することがあります。
下肢の痛みやしびれ:脊柱管の圧迫によって、腰から下肢(太ももやふくらはぎなど)に痛みやしびれが生じることがあります。また、長時間歩行すると足の感覚が鈍くなったり、しびれが増したりすることもあります。
歩行困難:腰部脊柱管狭窄症が進行すると、足の痛みやしびれが悪化し、歩行時に足の力が弱まることがあります。そのため、歩行困難や不安定な歩行が生じることがあります。
※間欠跛行:しばらく歩くと下肢(太ももからふくらはぎやすねにかけて)のしびれや痛みが出て歩けなくなり、少し休むと治まってまた歩けるようになるため、歩いたり休んだりすることを繰り返すようになります。
下部腰椎の制限:脊柱管の狭窄によって、腰椎の動きが制限されることがあります。これにより、腰部の柔軟性が低下し、日常生活の動作が制約されることがあります。
私はスポーツが大好きで、自分で立てた目標を達成することが楽しく、週4回ほどジムワークと水泳を行っていました。
ある日、腰の痛みを感じるようになりました。最初は軽い痛みだったので、運動中の筋肉の疲労だと思って休息を取っていましたが、痛みはますます悪化していきました。
しばらくの間、自己流で対処しようとしました。休息やストレッチを試してみたり、痛み止めの薬を服用したりしましたが、効果はありませんでした。むしろ、痛みはますますひどくなり、普段の日常生活にも影響を及ぼすようになりました。
痛みが限界に達した時、ついに専門医の診察を受けることにしました。腰部脊柱管狭窄症の可能性があるとの診断を受け、MRI検査を受けることになりました。MRIの結果、脊柱管が狭窄して神経への圧迫が起きていることが確認されました。
診断を受けた後は、専門医の指導のもとで治療計画が立てられました。初めに保守療法として、痛みの軽減のための薬物療法とリハビリテーションプログラムが組まれました。薬物療法では炎症を抑えるための薬や痛み止めが処方されました。
また、物理療法士の指導のもとでリハビリテーションを開始しました。筋力トレーニングやストレッチング、姿勢の改善などを行い、腰の安定性と柔軟性を向上させることを目指しました。
しかし、症状が改善しないため、えん接骨院へ。腰の安定性と柔軟性を向上させることを目指して、施術とリハビリテーションを中心に治療を続け、徐々に日常生活やスポーツ活動を再開することができました。
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