座る時間が増えた理由とリスクとは?

「仕事、病気の療養、子育て、介護、勉強…」
現代人の生活は、とにかく「座る」時間に溢れています。
実は、私たちの生活スタイルは昔と比べて大きく変わり、その結果「座りすぎ」が深刻な健康リスクとなりつつあります。
今回は、なぜ私たちはこんなに座るようになったのか、どのくらい座る時間が増えたのかを探り、座りすぎが体に与える影響についてお話しします。
あなたは一日何時間座っていますか?
1. なぜ座る時間が増えたのか?
現代人が座る時間が増えた理由は、生活スタイルや社会構造の変化にあります。
- 仕事のデスクワーク化
かつての多くの仕事は、身体を動かす労働が中心でしたが、現在ではオフィスワークやリモートワークが主流に。1日の大半を机に向かって過ごす人が増えています。 - 移動時間も座りっぱなし
通勤や移動中も電車や車で座る時間が長くなっています。かつて徒歩や自転車が主だった時代とは大きく異なります。 - 娯楽の変化
映画鑑賞やゲーム、スマートフォンの利用など、娯楽の多くが座ったままで楽しめるものにシフト。特にスマホ利用時間は年々増加しています。 - 高齢化社会
高齢者が増えることで、介護や療養においても座る時間が増加。
2. 昔よりどれくらい座るようになった?
調査によると、日本人の座っている時間は、平均で1日7時間以上と言われています。特に働き盛りの世代や高齢者では、8~10時間に及ぶケースも珍しくありません。一方、昭和30年代の日本人は座っている時間が1日4~5時間程度と推定されています。わずか数十年で、座る時間は1.5倍以上に増加しているのです。
さらに、世界保健機関(WHO)は「1日の座位時間が4時間を超えると健康リスクが高まる」と警告しており、現代人はそのリスクゾーンにしっかり足を踏み入れている状態です。
3. 座りすぎが体に与える影響
座りすぎは、以下のような健康リスクをもたらします:
- 姿勢の悪化
長時間の座位は、猫背や骨盤の後傾を引き起こしやすく、腰痛や肩こりの原因に。 - 血流の悪化
座ったままだと血液循環が滞り、むくみや静脈瘤のリスクが高まります。 - 代謝の低下
筋肉の活動量が低下し、肥満や生活習慣病のリスクが増加します。 - 精神的なストレス
運動不足はストレスホルモンの増加やメンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。
座りすぎケアは当院で!
座りすぎがもたらす悪影響を防ぐためには、正しい姿勢の習得や、定期的なエクササイズが不可欠です。当院では、専門的な視点から座り方や体のケアについてアドバイスを行っています。
座りすぎによる不調や姿勢の悩みがある方は、ぜひ当院にご相談ください。一緒に快適な生活を目指しましょう!
エビデンスと引用元
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日本人の座位時間の調査
- Sasaki et al., Journal of Physical Activity & Health, 2020
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WHOの座位時間に関する警告
- 世界保健機関(WHO):Global Recommendations on Physical Activity for Health, 2019
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座りすぎと健康リスクの関連性
- Katzmarzyk et al., Sedentary Behavior and Public Health, 2018