
座りすぎの生活が続くと、姿勢や筋肉の状態に大きな影響を与えます。
今回は、立ち上がりや動作を生み出す大殿筋に注目し、その重要性とケア方法を解説します。
大殿筋が支える立ち上がり動作

立ち上がる、歩く、階段を昇る――これらの日常的な動作を支える筋肉の一つが「殿筋(お尻の筋肉)」です。その中でも大殿筋は、特に立ち上がり動作において重要な役割を果たします。
座っている間は大殿筋がほとんど使われないため、エネルギー消費も減り、筋肉が徐々に萎縮して弱くなっていきます。こうした状態が続くと、立ち上がりの動作がスムーズにできなくなったり、体全体の動きが不安定になったりする原因になるのです。
今回は、大殿筋の働きと、筋力低下が引き起こす問題について解説します。
大殿筋の役割
大殿筋は、お尻の中でも最も大きな筋肉で、次のような働きを担っています。
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立ち上がり時のブレーキ機能
立ち上がる際、身体の重心は前方に加速します。このとき、大殿筋が適切なタイミングで強く収縮することで、重心の加速を制御し、安定した立ち上がりを可能にします。 -
骨盤の安定化
骨盤を前傾させ、身体全体のバランスを取る役割を果たします。この動作は、次の一歩を踏み出すために必要不可欠です。
筋力低下が引き起こす問題
大殿筋の筋力が低下すると、以下のような問題が生じる可能性があります。
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立ち上がりの困難
重心を前方に移動させる力が不足し、手すりや他の代償手段がなければ立ち上がれなくなることがあります。 -
動作の不安定化
骨盤を前傾できなくなるため、歩行や階段昇降時に不安定感が増し、転倒リスクが高まります。
大殿筋の状態を確認する方法
大殿筋の働きが十分かどうか、以下の簡単なテストを試してみましょう。
1. 片足立ちテスト
椅子から反動を付けず、片足で立ってみましょう。骨盤が大きく傾く場合、大殿筋が弱っている可能性があります。
2. 立ち上がり動作のチェック
椅子から立ち上がる際に、手を使わずに胸の前で組んでみましょう。スムーズに立ち上がれない場合は、大殿筋が十分に機能していないかもしれません。
大殿筋を鍛える簡単エクササイズ
大殿筋の筋力を高めるために、以下のエクササイズを日常に取り入れてみてください。
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スクワット
腰幅に足を開いて立ち、背筋を伸ばしたまま膝を曲げてしゃがみます。お尻を後ろに突き出すように意識して10~15回行いましょう。 -
ヒップアブダクション
横向きに寝て、上側の足をゆっくり持ち上げます。お尻の横(中殿筋)を意識して10回繰り返します。 -
階段昇降運動
階段を一段ずつ踏みしめながら昇り降りすることで、大殿筋を効率よく鍛えられます。
お気軽にご相談ください
殿筋のトラブルは、セルフケアを取り入れることで軽減できるケースが多いです。簡単なエクササイズやストレッチを続けることで、筋肉の柔軟性や機能が改善し、日常動作がスムーズになります。
ただし、セルフケアで十分な効果を感じられない場合や症状が長引く場合は、専門的な治療が必要になることもあります。
当院では、セルフケアのアドバイスに加え、殿筋の状態を丁寧に評価し、根本的な改善を目指した施術をご提供しています。セルフケアと施術を組み合わせることで、回復のスピードをさらに高めることが可能です。
気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください!