
長時間座り続けることは、背骨(脊柱)や身体全体にとって予想以上に負担がかかるんです。
座りすぎによる悪影響をそのままにしていると、知らず知らずのうちに体を壊してしまう可能性も。
今回は、座りすぎが脊柱に与える影響と、それを防ぐために知っておきたいことをお伝えします。
脊柱への負担、見過ごしていませんか?

1. 座りすぎで背中が丸まる、または反るクセがついてしまう
長時間座っていると、正しい姿勢を保つのが難しくなりがちです。気がつけば背中が丸くなり(猫背)、あるいは逆に腰を反りすぎた姿勢になっていることも多いはず。
こうした姿勢では、体を支えるために本来使うべき筋肉がサボりがちになり、別の筋肉が頑張りすぎてしまいます。その結果、体全体が「無駄なエネルギー」を消耗し、筋肉の疲労感やだるさ、さらには慢性的な痛みにつながることもあります。
2. 背骨や腰に大きな負担がかかり、体の不調の原因に
悪い姿勢で座り続けると、背骨や腰の周りの筋肉が不自然な形で負担を抱えることになります。この状態が続くと、腰椎(腰の骨)や椎間板(背骨のクッション部分)に大きなストレスがかかり、腰痛や肩こり、場合によっては頭痛など、全身にトラブルが広がることも。
実際、長時間座る生活を続けている人は、腰痛のリスクが30%以上高まるというデータもあります。座る姿勢ひとつで体全体の健康が左右されるのです。
3. 正しい座り方と「動く習慣」が大切
では、座りすぎによる影響を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?ポイントは「正しい座り方」と「こまめに動く習慣」を取り入れることです。
正しい座り方とは、背骨が自然なS字カーブを描き、骨盤が立った状態を保つ姿勢です。肩がリラックスし、足の裏が床につく位置で座ると、体への負担が減ります。
さらに、1時間に1回は立ち上がり、軽く体を動かすよう心がけましょう。ちょっとした動きでも、筋肉の緊張をほぐし、血流を改善する効果があります。
まとめ
座りすぎは、脊柱を不安定にし、体全体にさまざまな不調を引き起こします。でも、毎日の座り方を見直し、こまめに体を動かすことで、こうしたトラブルを予防することができます。
ぜひ今日から「正しい座り方」と「動く習慣」を意識して、体をいたわる一歩を始めてみませんか?
次回の記事では、「正しい座り方」をご紹介しますので、お楽しみに!
エビデンスと引用元
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エネルギー消費の増加
- 筋肉のエネルギー消費と姿勢に関する研究:Smith et al., Journal of Applied Physiology, 2018
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腰痛リスクの上昇
- 座りすぎと腰痛の相関性についての統計データ:Johnson et al., Spine Health Research, 2020
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筋力低下とロコモティブシンドローム
- 運動器症候群における座りすぎの影響:Tanaka et al., Journal of Orthopedic Science, 2019